核も基地も戦争もない平和で公正・持続可能な世界へ、日本と世界の女性の共同と連帯をひろげる力に
フィンランド平和を求める女性の会
原水爆禁止2023年世界大会
人類史上最大の悲劇が起きた広島・長崎で開催される、極めて感動的で重要な世界大会にお招きいただいたこと、なにより女性平和基金という女性のみなさんのすばらしいとりくみによって参加できたことを、心から感謝し、光栄に思います。
世界大会に集まった私たちには、母なる地球とその住民を大切にする世界中の人々とともに、あのような許されざる犯罪が再び繰り返されるのを防ぐ道義的責任があります。人類を絶滅させかねない軍事同盟であるNATO(北大西洋条約機構)が、このまま世界規模の拡大を続ける限り、核保有国も、核配備を受け入れている国も、核兵器禁止条約に調印することはないでしょう。
フィンランドはこの4月、NATOの31カ国目の加盟国になりました。これは非常に私たちを脅かしています。NATОは世界中の戦争に関与してきた核兵器を持つ戦争機構で、今、世界の軍拡競争をあおっています。社会福祉や医療、教育に切実に必要とされているお金が、まったく愚かな軍事目的に使われています。世界の軍事費は2022年、3・7%増えて2兆2400億㌦に達し、過去最高となりました。
いま、情勢は行き詰まっているように見え、絶望感にとらわれることがありますが、小さな希望の光も見えています。
私たちフィンランド平和を求める女性の会は、各国の女性たちとともに、「反NATOで団結し平和を求める世界女性の会」を結成し、今では世界約40カ国に広がっています。7月には、ベルギーのブリュッセルの欧州議会に集まり、NATOの活動や目的を全面的に非難した声明をNATО本部に届け、ヨーロッパ、アメリカ、カナダ、アジア太平洋、ラテンアメリカを結んだウエブ会議を開催しました。
北欧で今「WE MUST KNOW」(私たちは知らなければならない)というキャンペーンを広げています。日本も軍備費が増えていますが、NATOは加盟国に対し、軍事費をGDPの2%にするよう要求しています。私は40年来教育に携わってきましたが、その教育予算も縮小され、学級規模も20人だったのが30人になったり、教育補助員を確保するのが難しくなっています。賃金が低く、働きすぎて燃え尽きている先生もいます。一つの戦闘機の2時間の空中訓練のために、1人の看護師の1年分の給料が使われている。こうした事実を具体的に訴えていきたいですね。
大会に参加し心から感動したのは、新婦人が全国に県本部、支部をもち、次世代のみなさんとともにそれぞれが創意ある活動を広げていることです。みなさんの姿に、強い力とあふれるほどの希望を感じました。新婦人がもっと大きくなってほしいです。私たちは一人ではない。世界がつながっています。世界の女性たちが団結しながら、平和を求める輪を広げていきたいと思います。