核も基地も戦争もない平和で公正・持続可能な世界へ、日本と世界の女性の共同と連帯をひろげる力に
ピースアクション開発担当局次長
核兵器なくそう女性のつどい2017
私は、1945年8月6日・9日の広島・長崎への原爆投下を歴史の一部、時間の中で凍り付いてしまった瞬間だと考えてきました。今年の世界大会で新しくできた友人たちの報告を聞き、あの日の出来事が実は現在の一部なのだと気づきました。あの2発の原爆から発せられた炎は今も、燃えているのです。
72年たった今も、被爆者とその子どもや孫は放射能の影響に日々苦しんでいます。大勢が若くして亡くなっています。マーシャル諸島やオーストラリアなど核実験が行われた国々の人々は、重大な健康被害を受けています。数十年を経て、こうした人々の痛みが減ることはありませんが、恐ろしい兵器をなくすための彼らの努力もまた弱まることなく続いています。
一方でアメリカでは、科学者たちが使用可能な戦術核兵器を開発し、政治家たちはこうした計画に1兆ドル以上ものお金を浪費する計画に、黙って賛成票を投じています。人々は、恐怖と不安からこうした事態が続くことを許しています。原爆を落とされた側ではなく、落とす側にいた私たちは、その影響を全く知らずにすんできました。私たちの倫理観や安全のとらえ方は狂ってしまいました。
私たちの民主主義の力は、少数のお金持ちの手に握られてしまっています。不公正なルール、腐敗、大多数の無関心のためです。アメリカの運動組織者は、民主主義の力を人々にとり戻すために、人々を啓蒙し、変化をつくり出すことができる数を動員するという大きな課題に直面しています。同時にばかげた現在の政策のあり方を変えるために活動しています。
気候変動の脅威とは違って、氷河の溶解率を測定したり異常気象の記録的な発生率を分析したりしても、核兵器が社会にもたらす危険は、目に見えません。各国政府は、保有する核兵器がかかわって起きている多数の事故について報告していません。エリック・シュローサ―氏が書いた「指揮と統制」という本があります。動画もできていてインターネットで見ることができます。この本のおかげで、私たちは最近、1980年のタイタン型大陸間弾道ミサイルの爆発事故をはじめこれまでに1度も報告されていない事故について知ることができました。
人類が生存するためには、すべての国の人々が国境を越え、すべての人の尊厳と平等を認めあうことが必要です。
女性、エスニックマイノリティ、LGBTの人々に対する抑圧が認識され、平等を求める彼らのたたかいに、より多くの恩恵を受けている人たちが単なる連携ではなく、ともにたたかう仲間として合流し支援することが必要です。
人類の生存は、この会場に集まっている人々や、この大会を実現するために時間とエネルギーを注ぎ、私のような海外代表の参加を支援してくれた人々の、より強力な世界的な運動をつくろうとする努力があってこそ可能になるでしょう。
そして、被爆者の証言がすべての人々の耳に届き、「二度と繰り返すな!」「ノーモア・被爆者!」「ノーモア・ヒロシマ!」「ノーモア・ナガサキ!」「ノーモア・ウォー」とともに声を上げる時、可能になるのです。