核も基地も戦争もない平和で公正・持続可能な世界へ、日本と世界の女性の共同と連帯をひろげる力に
ピースフル・トゥモローズ「平和な明日をめざす9月11日家族の会」(アメリカ)
核兵器なくそう女性のつどい2003
核兵器なくそう女性のつどい2003で発言の機会をいただき光栄です。
女性は歴史をつうじて、平和運動の先頭に立ってきました。この暗く混乱した時代に、戦争を終わらせ、核兵器をなくす私たちの努力は、かつてなく緊急になっています。
私は、2001年9月11日のテロ攻撃で妹をなくしました。その日、妹のローラは、午前6時に自分のアパートを出て、世界貿易センタービルに行きました。ITに関する会議のためでした。それは、家賃を払うためのアルバイトでした。ローラは歌手で、俳優で、ブロードウェイのスターになることを夢見ていました。飛行機が世界貿易センタービルに突っ込んだとき、家族のものは誰も彼女が世界貿易センタービルにいるとは思いもしませんでした。
私は、「ピースフル・トゥモローズ」のためにこの1月にイラクに行きました。アメリカ政府は、アメリカ国民がイラクに行くのは違法であるといったので、私たちの会の代表(全員女性)は、政治的不服従を表明してイラクに行きました。アメリカ市民がブッシュ大統領の無謀で正義に反する戦争の被害者であるイラク市民と連帯することが緊急であると考え、私たちは、多くのイラク市民と話し、かつて、美しく豊かな国に、戦争がもたらした死と破壊の痛みや苦しみを聞きました。静かにともに嘆き悲しんだだけの集会もありました。2002年12月1日に飛行禁止地帯に落とされた爆弾で夫が殺されたという未亡人が、私たちに話してくれました。
イスラム教の伝統に定められた4か月の喪に服する期間、彼女を支えた女性たちのサークルに歓迎を受け、私たちの話に涙を流してくれました。私は、これを決して忘れないでしょう。
私たちの会は、私たちの声で、戦争をやめさせ、アメリカの指導者たちがアメリカの富、力、知識を、イラクと世界に正義をもたらす非暴力のために使うなら、世界の人々を励ますことになるだろうと考えていました。これまでにない大規模な国際的平和運動がつくられ、イラク戦争に反対しました。最終的に戦争は始まってしまいましたが、私たちは、国連の査察をもとめ、アメリカの戦争行動に抵抗し、イラクの大量破壊兵器の存在についての米英の主張の有効性を問い正し続けることの重要性を軽視すべきではありません。
また、平和運動を生き生きしたものにし、国際関係を強化することはきわめて重要です。私たちの運動には、すべきことがまだまだたくさんあります。私は、ヒロシマ、ナガサキから元気をもらい、アメリカ政府の偽善を終わらせる決意を固めました。アメリカ政府が非核保有国に対する核兵器使用を含めた先制戦争をしようとしながら、イラク、イラン、北朝鮮に対し、核などの大量破壊兵器をなくせと要求していることを恥ずかしく思います。私たちは、アメリカのバンカーバスターなど新型兵器の開発計画をやめさせなければなりません。アメリカ自体から核兵器がなくならない限り、私たち平和活動家は手を緩めることはできません。
平和な明日をめざす9月11日家族の会は、アメリカの戦争の犠牲となった罪のない市民についての自覚を高めるための活動を続けます。私たちは、アフガニスタンやイラクでアメリカ軍イン殺された民間人の数の正確な報告を入手し、アメリカ議会に対し、アフガニスタンとイラクの被害者の救済を行う法律をつくるよう求める活動を続けます。私たちの会は、強大な平和組織の連合体である「全米平和正義連合」のメンバーとして、アメリカによるイラク占領に抗議し、ブッシュ政権が戦争を正当化するためについた嘘を調査するよう要求しています。
私は、この重要な活動を日本や世界の親しい友人と協力してすすめたいと思っています。
みなさん、地球上の一人ひとりに平和がおとずれるようにがんばりましょう。
テリー・ケイ・ロックフェラーさん
ハンナ・ロックフェラーさん
ピースフル・トゥモローズ「平和な明日をめざす9月11日家族の会」
インタビュー 平野恵美子