核も基地も戦争もない平和で公正・持続可能な世界へ、日本と世界の女性の共同と連帯をひろげる力に
婦人国際平和自由連盟(WILPF)副会長(オーストラリア)
核兵器なくそう女性のつどい2008 in ヒロシマ
姉妹のみなさん、友人のみなさん。婦人国際平和自由連盟(WILPF)よりあいさつを送ります。むかしからの友人に会えてうれしいです。私の隣にいる友人との再会を喜んでいます。
昨日、今日と私は、日本の平和運動のとりくみに感動しています。そして今夜この会場を見て、胸がいっぱいです。みなさんは手作りの品々で私たちのこの平和の活動をより美しく、そして幸せなものにしてくださっています。教育の手段として、有効なものをここにみています。みなさんからたくさんのものを学ばなければなりません。
私たちの世界は温暖化がすすみ、水が干上がり、軍事費がどんどん増えています。ここにいるみなさんはわかっていることが、兵器、とりわけ核兵器、銃、地雷は、私たちが今直面している津波やハリケーン、洪水、ウイルス、気候変動、水不足などの問題を防ぐこともなくすこともできません。こうした問題こそ、私たちの時代における、本当の安全保障上の脅威なのです。私たちがこうした問題にとりくみ解決しようと思うならば、今軍事や兵器や戦争に使われている人的資源やお金の使い方をかえなければなりません。
世界で今軍事上の安全保障に使われているお金は、1億3390億ドルにのぼります。これは1年分です。この額は、国連予算600年分に相当します。600年分です。そして、イラクの占領2週間分の費用は、すべての先進国がこの5年間にジェンダー平等、男女平等政策に使った予算の総額にあたります。こうした軍事費、武器売買は企業のためのものであり、私たちはこれを組織的犯罪という以外にありません。
私たちはよく簡単に「10億」という単位を口にします。でも実際にはどのくらいの量なのか、想像することは難しいのではないでしょうか。2008年の1月1日から10億秒前は、1961年です。10億分前、イエス・キリストが生まれました。10億時間前、人類の祖先は石器時代に生きていました。そして10億日前には、この地球には直立歩行の動物は存在していませんでした。地球に生きていたのは、這っていたり、泳いでいたり、魚のような存在だけでした。
これは私たちWILPFが、人々にいったいどれくらいのお金が戦争や戦争準備に使われているのかを理解してもらうために使っている手法です。みなさん、私たちは本当に怒っています。なぜなら、これは私たちのお金であり、私たちの将来がかかっているからです。
8月6、9日、WILPFの会員たちは広島、長崎に対しておこなわれた犯罪的な行為を思い起こします。さらに、世界各地の被爆者、太平洋やオーストラリアの砂漠、カザフスタンなどの核実験での被害者にたいしても思いを寄せています。
オーストラリアと日本の政府は新しいプロセス、新しい委員会をたちあげました。それは核軍縮をすすめるための委員会ですが、私は、これには私たち女性の助けが必要だと思っています。まだこの委員会は活動を始めていませんが、そのたちあげが宣言されたということ自体が、歓迎すべきものです。特に今アメリカで大統領選挙がおこなわれているからです。この委員会がほんとうに前向きで力あるものになるように、WILPFはNGOシャドー委員会、NGOの影の委員会をつくって、委員会の動きを監視し、委員会に必要な資料や批判を提供できるようにすることを提案しています。この点で私たち女性は、大きな役割をはたせると思います。特に日本とオーストラリアと日本の女性団体が力をあわせれば、この委員会を積極的なものにするうえで、大きな貢献ができると考えます。私たちの両国政府が今連携しようとしているのですから、私たちもまた女性団体として連携をしましょう。そして核兵器をなくして、核の傘をとりのぞいていきましょう。ありがとうございました。