For a Peaceful, Just, and Sustainable World Free of Nuclear Weapons, Military Bases and War Womens Peace Fund Contributes to Developing Cooperation and Solidarity between Women of Japan and Women All around the World
Stop the War Coalition Philippines
No Bases Network Asia-Pacific
2011 Japan Peace Conference in Okinawa
フィリピンの米軍基地が閉鎖から、ほぼ20年になります。基地支持者のフィリピン経済は衰退するという予測とは逆に、クラークやスービックの基地は経済特別区として貿易、研究開発、教育、観光、娯楽、環境保護などの施設に転換され、数千人の雇用を生み出し、巨額の設備投資が行われています。2010年末までに「スービック・ベイ・フリーポート」に投資された資金総額は71億7600万ドルに達し、雇用は8万9271人まで拡大しています。2010年の国内外からの観光客も、540万人にのぼりました。
米軍が残していった問題もたくさんあります。まず、跡地の残骸処理をしていません。毒性廃棄物による汚染の事実について、これを認め、調査や汚染除去の実施を拒否しています。限られた研究でも、離れた地域の水と土壌が発がん物質や溶剤、鉛、水銀で汚染されていることがわかっており、1997年、私たちがおこなったクラーク基地の影響による健康調査では、軍事廃棄物が原因で起こる病気も明らかになっています。
米兵は、フィリピン女性との間に50万人近くの混血児も残していきました。多くが父親に認知されず、養育費ももらえず、親類や友人の助けで生き延びているのが現状です。売春、虐待やレイプを受けた女性たちなど、未解決の不正義の問題はたくさんあります。
基地反対のたたかいは終わっていません。1999年に結ばれた訪問軍隊協定により、米軍は合同軍事演習や訓練、船舶修繕、休暇中の娯楽の名目でフィリピンに入国できるようになりました。2002年1月、「対テロ戦争」を口実に、米軍特殊部隊がミンダナオ島に戻って以降、約500人から1000人の米軍が国内に常駐しています。これまで入港した100隻を超える米戦艦には、核武装した空母、巡航船、潜水艦も含まれ、これはフィリピン憲法の明白な違反です。より高性能で、目に見えにくい新しい形態の基地使用によって、アメリカはフィリピンにおけるプレゼンスを回復しています。
ヒラリー・クリントン国務長官やオバマ大統領がこの間公言しているように、アメリカは外交・軍事の重点をヨーロッパ・中東からアジア太平洋にシフトしています。先月11月15日、クリントン長官はフィリピン訪問、米比相互防衛条約60周年記念式典い出席し、条約を21世紀にふさわしいものへ改定するようもとめました。
今年は、基地の閉鎖につながったフィリピン上院による米軍基地協定の拒否決定20周年にあたります。私たちは今後1年間、一連の記念行事を計画しています。たたかいへの献身をあらたにし、若い世代の活動家が経験に学び、このたたかいを自分自身のとりくみにしていく機会にしたいと思っています。締めくくりとして、来年11月にクラークまたはスービックの米軍基地跡地で、外国軍事基地に関する国際会議の開催を検討しています。
沖縄、グアム、済州島にとって重大な時期を迎えているこのときに、日本平和大会にアジア太平洋から大勢参加していることは、重要な意味を持っています。アメリカ政府が21世紀を「アメリカの太平洋の世紀」と宣言したことに対し、私たち、アジア太平洋の人民が植民地主義と軍事支配から解放される世紀と宣言しましょう。