For a Peaceful, Just, and Sustainable World Free of Nuclear Weapons, Military Bases and War Womens Peace Fund Contributes to Developing Cooperation and Solidarity between Women of Japan and Women All around the World
Director,
Social Association of Afghan Justice Seekers (SAAJS)
No Nukes! Women’s Forum 2010
親愛なる友人のみなさん
原水爆禁止世界大会に参加する機会を与えてくださった女性平和基金に、感謝します。
私は、アフガン女性の状況についてお話したいと思います。他の国とはまったくちがうからです。アメリカがアフガニスタンを侵略したとき、私たち国民、特に女性は、人権、とりわけ女性の人権をもたらしてくれるものと明るい気持ちでいっぱいでした。9年たった今、女性と女の子の状況は大変深刻です。
14歳から30歳の女性の焼身自殺が、連日急増しています。
アフガニスタンの多くの州で女の子にたいするレイプがひろがっていて、なかには5歳の女の子もいます。家庭内暴力も毎日増えています。
女性の手、鼻、耳が切り取られたり、体中切られたり打たれたりして殺されている女性もいます。アイシュという名の女性は、自分の部族の男たちに鼻と耳を切り取られました。国際社会や政府も、こうした残虐な暴力行為をやめるよう、くりかえしきびしくもとめていますが、とどまるところを知らず、30年間犯罪行為を続けていた戦争犯罪人がいまだに権力の座についているからです。
アフガニスタンには63人の女性国会議員がいますが、世界を欺くためのお飾りに過ぎません。あらゆる犯罪行為に苦しんでいる女性や女の子の状況に目を向けず、耳を貸そうとしないのです。一方で、みずから行動している女性たちがいます。そのなかには有名な前国会議員のマラライ・ジョヤがいます。こうした女性たちは、犯罪行為を告発すると同時に、人々、女性や子どものために活動しています。女性のためのシェルター、孤児院を運営したり、犠牲になった家族の支援をおこなったりしています。
今人々が直面している最大の問題は、治安の悪化です。通学途中でレイプや誘拐にあったり、殺されたり、顔に酸をかけられたりするため、人々は女の子を学校に行かせられません。4割の子どもが学校に通っていないのです。
NATOとアメリカの軍隊は、女性や子どもたちに爆弾を落としています。2001年以降、NATOとアメリカの軍隊は8000人を超える無実の市民を、空爆やいわゆるタリバンに対する軍事作戦によって殺されています。
アフガニスタンの状況をかえる手伝いをしたいとお思いでしたら、どうか、軍隊ではなく、よい医者、よい看護師、よい教師を送ってください。こういう人たちこそ、アフガニスタンが必要としている人たちなのです。
ウィーダ・アハマド
アフガニスタン
アフガンの正義をもとめる社会協会(SAAJS)理事
聞き手・新婦人国際部長 平野恵美子
2007年、私は数人の友人とともに戦争の被害者と家族の支援を目的に「アフガンの正義をもとめる社会協会」(SAAJS)を立ち上げました。被害と加害の責任を明らかにするために、1年前から証言の聞き取りを始めました。原水禁世界大会への招待を受けたとき、私たちの活動に参考になることを学びたいと期待しました。今回の来日は、2008年に女性平和基金で原水禁世界大会に参加したマリアム・ラウィさんが推薦してくださって実現しました。外国はインドネシアとカンボジアに行ったことがあるだけで、大勢の前で英語でスピーチするのも初めてで、最初は迷いました。でも、マリアムさんが「心配や不安はあるだろうけど、大丈夫。新婦人の仲間が助けてくれるから」と背中を押してくれました。本当にそうでした!
私は、広島・長崎への原爆投下のことは、幼いときから知っていました。原爆ドームや平和公園の写真を見たり、本で読んだりしたほか、母からいろいろと聞かされていました。母は外で働いた経験などありませんが、とても好奇心が強くなんでも知っています。父もとても開かれた考えを持っている人で、私たち4人の子どもは、白分のことは白分で考えて決めるように言われて育ちました。アフガニスタンでは父親の権限が絶対で、特に女の子は進学や結婚について父親に相談なしに決めることなどありえません。」方的に決められてしまうのも珍しくありませんから、私の家族は、かなり変わっています。私が今の仕事を始めたいと言ったときも、父は「私の意見を聞く必要はない、白分がしたいことをしなさい」と言い、ずっと応援してくれています。実際にこの目で原爆ドームや平和公園、原爆資料館を見て、被爆者のお話を聞いて、白分は何も知らなかったと思い知りました。本当に来てよかった。印象的だったのは、平和公園でも、原爆資料館でも、子どもたちがたくさん見学に来ていたことです。じっと展示に見入る親子連れや、引率の先生に熱心に質問をしている子どもたちの姿に、日本では平和教育が進んでいることを実感しました。これこそ、私の国に必要なことです。
戦火のアフガニスタンへ私は1986年、カブールに生まれました。戦争のない祖国を知リません。1979年から1989年のソ連軍駐留、続くムジャヒデイーンと呼ばれる武装勢力と政府軍による内戦状態。私が小学校にあがるころ、首都カブールは大変危険で、両親は家族の安全と子どもたちの教育を考えて、パキスタンへ移住しました。道々、たくさんの死体や呆然とすわりこむ人々を見ました。2001年のアメリカと同盟国による侵攻によってタリバン政権が崩壊、平和と民主主義の時代が来るという希望がひろがり、私たち家族もパキスタンの家を引き払って、カブールに戻りました。9年たった今、タリバンが息を吹き返し、かつて犯罪行為を繰返していたムジャヒディーンが政権の中枢にいすわっています。アメリカを中心に44力国から14万人を超える軍隊が駐留する一方、汚職、殺人、略奪、レイプ、貧困、テロが横行しています。軍隊を増やしても、治安は悪化する」方です。女性の状況はとりわけ深刻です。治安の悪化のもとで女性に対する暴力が増えています。レイプや誘拐をおそれて、親たちは子どもを学校に行かすことができず、4割の子どもが学校に行っていません。同じ理由で女性が働きに出るのも困難です。きびしい現実に耐え切れず、焼身白殺をする女性が増えています。私白身もこれまで見てきたおそろしい場面に、息ができなくなるような思いにとらわれることがあります。戦争の心への影響ははかりしれません。そうしたなかで、女性たちみずからがたちあがっています。女性のためのシエルターや、身寄りを失った子どもたちの施設をつくったりしています。こうした女性たちこそ、私の誇りです。人々のために、女性や子どもたち、弱い人のためにはたらく人たちです。新婦人のみなさんも、同じです。
この9年間でアメリカとNATO軍の空爆や「タリバン掃討作戦」によって、無実の市民8000人が殺されました。8割以上の国民が貧困ライン以下の生活をしています。犯罪増加の背景には飢えや生活苦があります。治安を回復して生活を安定させなければ、復興は進みません。アフガニスタンに必要なのは、戦争犯罪を明らかにして加害者を裁き、被害者の支援をすること、本当に人々のためにはたらく政府をつくることです。外国軍はいりません。私たちが国際社会、日本の人たちに望むことは、軍隊ではなく、医師、看護師、教師を送ってくださることです。
女性平和基金で招待されたことを、とてもうれしく思います。アフガニスタンでも日本でも、女性の活動はすばらしいです。アフガニスタンはとても乾燥しているので、いただいた「Biエッセンス」と口紅が肌と唇を守ってくれることと思います。